現代川柳イロハ

【現代川l柳入門コーナー】
古川柳
江戸時代の川柳は厳しい身分制度のため、落書きのよ うに作者名はありませんでした。その内容の多く は、社会や他人を対象としてからかったりふざけて批判するものでした。
良い古川柳とは、
「穿ち」(日常生活のうっかりとすると気が付かないような真実を見つけること)、
「軽み」 (しやれた、ウィットのある表現であること)、
「笑い」 (思わず吹き出してしまう面白さ)のある川柳とされていたようです。

 
 役人の子は にぎにぎを  よく覚え
 本降りに なって出てゆく  雨やどり
 なきなきも  よい方をとる かたみわけ

@俳句と川柳の違い
 川柳は「私」を対象に、中心に創りますが、俳句は「自然」を対象に、中心に創られます。また、川柳は自分の心の想い、叫びを思いっきり出しますが、俳句は控えめにして、余韻や余情を味わうとされています。

@現代川柳
 現代川柳は他人を対象とするより、何の束縛もなく自分の事を、自分の心を対象に表現するというのが、現代川柳協会のいうとろの教えのようでする。
 件者名も自分の名前かペンネームでいいのでする。ただ、当たり前でしょうが他人の悪口や欠点などを詠むことは禁止しされています。ここだけ要注意です。

@川柳の作り方
@テーマ・・・・心に溢れてくるものすべて。
Aリズム・・・・川柳はリズムが大切。17音字の短い文型の、はじめの5音字を上五(かみご)、真ん中の7音字を中七(なかしち)、残りの5音字を下五(しもご)と言っています。
 リズムで一番大切なのは、中七の7音字を守ること。また、上五は5音字以上になってもあまりリズムを壊しません。とにかく、中七の7音字を守ることだけを忘れないようにします。


@川柳表現のポイントは以下にあると言われます。
  *「て・に・を・はJはできるだけ省略し、あれもこれもと欲張って訴えない。
  *事実+フィクション(創件)=真実
  *発想が平凡でないこと(半歩常識から出る)
  *抽象的表現を出来るだけ避け、具象を入れて表現する。
  *暗喩、直喩、擬人法、擬物法、擬声語・擬態語を用いると変化が出ます。


現代川柳の中か

将来のある身だからとクビにされ   生駒鹿せんべ
寂しくて つい顔を出す隠れんぼ  東京 恋し川
いい時も 心配してる母の愛    和歌山 刀板 久夫
あの山は男前だと母は言う     堺 佐藤 良水
それ以上近づかないで欲しい距離  島田 寺田 光夫
自慢しているのはみんな過去のこと 笠岡 荒間草海
片付けて少し冷たい部屋になり   玉野 真砂  博
ペコちやんの舌は絶対乾いてる   岡山 興陽ガール
明日のこと考えないで今日笑う   横洲賀 山田 久子
お燐へ「そろそろ風鈴しまいません?」新潟 川朽祐美子
なくしたら当たった気する宝くじ  多摩 白井 昭男
綺麗だが−瞬妖怪にも似てる    東京 近森ミツチ
エラ呼吸したくなっちやう鼻づまり 枚方 なほ空娩
グチ言える相手の耳が遠くなり   東京 中尾美枝子
俺のとき必ず切れる風呂石けん   神戸 あっちやん
寝てたこと気付かないほど寝てたのか 倉敷 反橋由美子
殴られた後のようだぜその化粧   秦野 たておかあや
紀香見て三ツ矢歌子を思い出す   横浜 たそがれ
次の日にやっと句の意味理解でき  横浜 黒島御丸